アンケートでは、聞き手とモニターとで意識のズレがあると、思った通りの調査結果を得られなくなってしまいます。
今回は、聞き手の意図をモニターに伝えるために、どのような点に配慮すればいいのか、いくつか例を挙げて解説します。
(例1)「旅行」に関する設問
図1-1は、海外旅行で訪れた場所を聞く設問です。
一見、問題ないように思えます。
しかし、このままでは、「直近の海外旅行」について聞きたかったとしても、全モニターがそのように理解しているとは言いがたく、何度も旅行をしたことがあるモニターにとっては、「どの旅行」について回答すればいいか迷ってしまうことでしょう。
そこで、設問文のなかに「直近の」というキーワードを追加します。
これで、モニターが「どの旅行先」について回答すればいいか、迷うことはなくなります。
旅行先に関するキーワードは、「全ての旅行先」や「初めて行った海外旅行先」、「最も良い思い出の旅行先」なども考えられます。どの旅行について回答してもらいたいのか、必ず明記するように心がけましょう。
(例2)「携帯電話」に関する設問
図2-1は、スマートフォンの月額利用料金を聞く設問です。
携帯電話の場合は、「プライベート用」と「仕事用」に使い分けている方や、「プライベート」だけでも複数の電話を所持している方もいるため、「どの携帯電話」について回答してもらうか明記する必要があります。
ここでは、「プライベートでメイン使用」というキーワードを追加しました。
他にも、「直近で契約した機種」や「最も通話時間の長い機種」などのキーワードが挙げられます。
(例3)「食料品の購入」に関する設問
図3-1は、食料品の購入場所を聞く設問です。
食料品を購入している場所は、複数該当するモニターがほとんどだと思われるため、マルチアンサー形式で「購入している全ての場所」を聞く方法もあります。
あえて、シングルアンサー形式で聞くのであれば、複数該当するなかから、1つだけを絞り込めるキーワードを明記します。
ここでは、「最も利用頻度の高い」というキーワードを追加しました。
他には、「1回あたりの購入金額が最も高額な場所」や「週末に購入する機会が最も多い場所」などのキーワードが挙げられます
<まとめ>
聞きたいことは、できるだけ具体的に設問文に明記しておくことで、聞き手とモニターとの意識のズレは起こりにくくなります。
モニターが回答すべきことをスムーズに理解できるよう、キーワードを明記する配慮を忘れずに行いましょう。