ブランド認知度調査とは|
目的・基本設計・ポイント・実施方法を解説

30 August.2022 / 調査手法

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マーケティング戦略を検討する上で、自社ブランドが市場にどの程度認知されているかをチェックすることはとても重要です。ブランド認知度を測定すれば、広告施策の課題や自社のポジショニングなどを把握できます。

本記事では、ブランド認知度調査の目的や実施方法などを解説します。

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「ブランド認知度・ブランドイメージ」を測る調査手法について、設計のポイントや分析の考え方をご紹介します。

ブランド認知度調査とは

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まずは、ブランド認知度調査とはどのような調査なのかを見ていきましょう。

ブランド認知度調査の目的

ブランド認知度調査とは、自社の商品・サービスなどのブランドが、市場でどのくらい認知されているかを測定する調査です。

ターゲットに自社商品を購入してもらうには、まず商品名や商品の特徴などを知ってもらう必要があります。そのため「ブランド認知度」はマーケティングにおいて重要指標の一つとされており、調査で認知状況を把握して広告・プロモーション施策の検討などに役立てます。

また、自社商品だけではなく他社商品の認知度も測定・比較することで、市場における自社商品の立ち位置などを把握できます。

ブランド認知度を測る2つの指標

ブランド認知度には「純粋想起」と「助成想起」の2種類があり、ブランド認知度調査では両方の項目を聞くのが一般的です。

純粋想起とは、調査対象者に商品の画像や情報などの手がかりを与えずに頭に浮かんだ商品名を答えてもらう手法です。具体的には以下のような聞き方をします。

<純粋想起の質問例>

  • 緑茶飲料と聞いて思い浮かぶブランドは何ですか。思いつく限りお書きください
  • あなたが知っているビールのブランドは何ですか。3つまでお答えください
  • 高級外車と聞いて思い浮かぶ自動車メーカーはどこですか

このとき、最初に想起されたブランドは「第一想起(トップ・オブ・マインド)」と言います。

一方、助成想起は、商品名やパッケージ画像などを提示した上で、その商品を知っているか回答してもらう手法です。具体的には以下のような聞き方をします。

<助成想起の質問例>

  • あなたは、○○という緑茶飲料のブランドを知っていますか
  • 下記のビールの銘柄のうち、あなたが知っている銘柄を全てお選びください
  • 下記のうち、高級外車と聞いて思い浮かぶ自動車メーカーを全てお選びください

一般的に、車や高級時計のように高額で購入頻度が低いカテゴリーでは純粋想起率が重視され、日用品のように低価格で購入頻度が低いカテゴリーでは助成想起率が重視されます。

ブランドイメージ調査との違い

ブランドイメージ調査は、自社商品が生活者やユーザーにどのようなイメージを持たれているかを把握するための調査です。基本的には対象ブランドを認知している人に実施するため、ブランド認知度調査とは調査内容などが異なります。

とはいえ、ブランド認知度とブランドイメージは、生活者の購買行動モデルにおける「認知・理解」のフェーズで密接に関わる指標であるため、二つの調査を一つの調査で同時に実施するケースが多いです。

ブランド認知度調査の基本設計とポイント

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次に、ブランド認知度調査の主な調査項目や実施時のポイントを紹介します。

基本的な調査項目・設問例

ブランド認知度調査の項目は調査の範囲・目的などで変わりますが、基本的な調査項目としては以下のものが挙げられます。

  • 純粋想起
    例)あなたが知っている缶コーヒーの銘柄を全てお答えください
  • 助成想起
    例)以下の缶コーヒーの銘柄のうち、あなたが知っているものを全てお答えください
  • 購入経験
    例)あなたが「知っている」と回答した銘柄のうち、1年以内に購入したことがあるものを全てお選びください
  • 認知経路
    例)あなたが「知っている」と回答した銘柄を、初めて見聞きしたきっかけをお選びください
  • ブランドイメージ
    例)あなたが「知っている」と回答した銘柄に対するイメージとして、あてはまるものを全てお選びください

ポイント①純粋想起→助成想起の順に聞く

ブランド認知度調査では、「純粋想起→助成想起」の順に聞くことが基本です。なぜなら、先に助成想起を聞くと対象者にバイアス(先入観)を与えてしまい、正確な認知状況を測定できない可能性があるからです。また調査票についても、純粋想起を回答中に助成想起の選択肢が見えないように配慮して作成しましょう。

ポイント②定期的に実施する

ブランドの認知状況やイメージは、広告・プロモーションのやり方や競争環境などで変動します。そのため、ブランド認知度調査は定期的に実施し、時系列で推移をチェック・分析することが重要です。

ブランド認知度調査の実施方法

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ブランド認知度調査では主に3つの手法が用いられます。各調査方法の特徴を紹介します。

ネットリサーチ(Webアンケート)

インターネット上でアンケートを配布・実施する手法で、対象者はパソコンやスマートフォンなどで回答します。紙のアンケートより手軽なため回答者を集めやすく、スピーディかつ効率的に実施できるため、ブランド認知度調査をはじめ様々なマーケティング調査に活用されています。

近年は、セルフ型のネットリサーチサービスを利用する企業も増えています。『Fastask』は300万人のアクティブモニターを有し、アンケートの作成から配信・集計まで自社で完結することができます。調査票は専任のリサーチャーが添削するため、不慣れな方でも安心です。

郵送調査

調査票を対象者の自宅などに送付し、回答記入後に返送してもらう手法です。調査票の印刷・封入・郵送などの手間がかかりますが、シニア層などのインターネットの使用率が低い層を対象とした調査に適しています。

電話調査

調査員が対象者に電話をかけて行う調査手法です。電話口ですぐに回答が得られることや、遠隔地の対象者にもアプローチしやすいといった利点がありますが、対象者を時間的に拘束してしまうため設問数が多い調査には不向きです。

自社ブランドの認知度を測定しよう

ブランド認知度は、マーケティング施策の成果を検証するために欠かせない指標の一つです。ブランド認知度調査を実施すれば、自社商品が生活者やターゲットにどのくらい浸透しているかが可視化され、広告・プロモーション戦略の検討などに役立てることができます。
ブランド認知度調査を実施して、市場における自社商品の認知度や立ち位置をチェックしてみましょう。

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