モニター調査とは|
メリット・デメリットと実施方法をわかりやすく解説
モニター調査は、調査の対象条件に当てはまるモニターから商品・サービスについての意見や感想を集める調査手法です。商品開発や顧客満足度の向上など、様々な場面に役立てることができます。
ここでは、モニター調査の目的やメリット・デメリット、実施方法、進め方について解説します。
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マーケティングリサーチはじめてガイド
これからマーケティングリサーチをはじめられる方向けに、その手法や各種のメリット・デメリット、特長などをわかりやすく資料にまとめました。
モニター調査とは
モニター調査とは、商品・サービスに対する意見や反応などを集める調査のことです。あらかじめ調査期間や使用頻度を定めておき、商品・サービスに対する感想や使用の途中経過などを調査します。
調査対象者は商品・サービスのターゲット層に設定することが一般的ですが、調査目的によっては有識者から意見を聴取する場合もあります。
モニター調査の目的
モニター調査を行う目的は、商品・サービスに対する評価や反応を確認して改善に役立てることです。マーケティングにおいては、次のような活用例が代表的です。
- 商品・サービスの課題を発見・改善し、顧客満足度の向上を図る
- 新商品開発に際して、評価や反応を確認してブラッシュアップする
モニター調査を実施するメリット・デメリット
モニター調査を実施するメリットとデメリットは、次のように整理できます。
<メリット>
- 自社のターゲット層となる調査対象者から具体的な意見・感想を集めることで、商品・サービスの課題を特定した上で的確な改善施策を検討することができる
- 有識者を対象に調査を実施する場合、専門的な知見を参考にして商品・サービスの改善に活かすことができる
<デメリット>
- 複数の調査方法があるため、それぞれの特徴を理解した上で方法を選択しないと求めていた情報を得られないことがある
- 上市前のモニター調査の場合は、SNSへの書き込みを禁じるなど情報漏えいに注意する必要がある
モニター調査の方法
モニター調査の方法は複数あります。主な実施方法をメリット・デメリットとともに見ていきましょう。
ネットリサーチ
インターネットを通じてWebアンケートの形式で行う調査方法です。メリット・デメリットは次の通りです。
<メリット>
- 短期間で多数の回答を集めることができる
- 大規模の調査にも対応できる
- 比較的低コストでの実施が可能
- 画像や動画を用いた調査も可能
- 定量分析ができるため、全体的な傾向をつかみやすい
<デメリット>
- インターネットを利用していない層からは情報を集めることができない
インターネットに不慣れな層から意見を集めたい場合は、郵送調査や電話調査などを検討するとよいでしょう。
デプスインタビュー
デプスインタビューとは、モデレーターとモニターが1対1で対話し、意見や感想を聴取する方法です。昨今は、ビデオ会議ツールなどを利用してオンラインで行うケースが増えています。メリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
- オンラインインタビューの場合は居住地を制限せずに実施することができ、移動コストも削減できる
- じっくり対話するため本音を引き出しやすい
- ネットリサーチなどの定量調査ではつかみきれない詳細な利用実態を聞きだすことができる
- 1対1のため、デリケートなテーマについてもヒアリングしやすい
<デメリット>
- 対象者1人に対して時間を割くため調査の効率が下がりがち
- モデレーターのスキルによってヒアリングに差が生じる
- あくまでも1人の意見であるため、偏りが出ることも加味した上で施策を検討する必要がある
グループインタビュー
グループインタビューは、4〜8名程度を1グループとして調査対象者を集め、座談会形式で意見・感想を自由に発言してもらう調査方法です。モデレーターは事前に決めておいた質問をしながら、参加者から活発な意見を引き出せるように進行します。
<メリット>
- 参加者同士で活発な意見交換がなされるなど、グループダイナミクスの効果が期待できる
- デプスインタビューよりも効率的に多数の意見・感想を集めることができる
- 属性や特性が異なるグループに分けて実施することで、それぞれのグループ間での相違点を比較することができる
- オンラインインタビューの場合は居住地を制限せずに実施することができ、移動コストも削減できる
<デメリット>
- 他の参加者への同調が起きるなど、本音を聞き出せない恐れがある
- モデレーターのスキルによって調査結果が左右されることがある
- 複数名の日程調整に手間を要する
ホームユーステスト
ホームユーステストとは、自宅にサンプル品を送付して評価や意見を集める調査方法のことです。回答方法にはWebアンケートを用意する方法や、回答用紙を返送してもらう方法があります。メリット・デメリットには次のようなことが挙げられます。
<メリット>
- 実際の生活場面における使用感や感想を集められるため、より実態に近い情報を得ることが可能
- 使用の途中経過を調べることができる(例:消耗品の減り具合、心理面が変化するタイミングなど)
- サンプル品の使用を通じて認知度の向上やファンの獲得につながることも期待できる
<デメリット>
- サンプル品の送付にコストと手間がかかる
- 使用状況を監視できないため、モニターごとに使用環境や使用方法が異なるケースが生じた場合、正確なデータを得られない可能性がある
モニター調査~実施の流れ
モニター調査を実施するときの流れは、「調査企画→スクリーニング調査・本調査→集計・分析」が基本です。詳しく見ていきましょう。
調査企画
どの調査にも共通しますが、調査企画を入念に行うことで有益な調査結果を得られ、次のアクションプランに進むことができます。調査企画では、以下の事項を具体的に決めます。
- 調査目的
何について調べ、調査結果を何に活用するのか、調査目的を明確にします。はじめに調査目的をはっきりさせておくことで、必要な調査事項や適した調査方法を精査しやすくなります。 - 調査対象者
調査対象者の条件を明確に決めます。モニター調査の場合、コアターゲットとする基本属性(性別・年代・居住地・職業・家族構成など)や使用経験の有無などを条件に設定することが多くなっています。調査目的に照らし合わせて検討しましょう。 - 調査期間・時期
調査期間と調査時期を決めます。使用感において季節要因が影響する場合は、時期についても配慮する必要があります。 - 調査方法
調査目的に応じて、ネットリサーチ・インタビュー調査・ホームユーステストなどから適切な調査方法を選定します。 - 調査内容
どのような調査結果(データ)を得たいのかを念頭に置きながら、調査内容を検討します。ネットリサーチやホームユーステストの場合は設問項目を決めます。インタビュー調査の場合は、設問項目と各設問の時間配分などを具体的にしたインタビューフローを用意しておくとスムーズに進めることができます。
スクリーニング調査~本調査
モニター調査では、条件に合致する調査対象者を絞り込むためのスクリーニング調査が必要です。以下の例のように、条件に該当する人を抽出します。
スクリーニング調査の例)
- 幼児がいる世帯の主婦
- ○○(商品・サービス)を週1回以上使っている人
スクリーニング調査で調査対象者を抽出したら、本調査に進みます。ホームユーステストなどで使用の途中経過を確認する場合は、スケジュール管理も行い、途中離脱が起きないように配慮しましょう。
集計・分析
調査結果は、適切に集計・分析を行うことで意味のあるデータとして活用できるようになります。
集計方法は、設問ごとに割合や個数を算出する単純集計と、2つ以上の設問を掛け合わせて詳細な傾向を分析するクロス集計の2つが基本です。単純集計で全体の傾向を把握したら、性別・年代別などのクロス集計を用いて自社の課題を特定し、次のアクションに役立てていきます。
モニター調査で顧客視点を的確に捉える
モニター調査では商品・サービスに対するリアルな反応を確認できるため、商品開発やマーケティングの様々な場面で役立てることができます。調査目的によって適切な調査方法が変わるため、それぞれの方法の特徴をしっかり理解しておくことが大切です。顧客視点を的確に把握し、次のアクションにつながるよう有効活用してください。
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