調査票の作り方|
7つのステップと調査票作成の注意点をわかりやすく解説
アンケート調査を実施する上で重要となるのが調査票の作り方です。有用な回答データを収集するには、作成の基本と注意点をしっかり把握しておく必要があります。
ここでは、調査票の作り方を7ステップに分けて詳しく解説します。また、質問文の作り方や選択肢の決め方、回答率を高める上での注意点も紹介します。
調査票の作り方の手順~7つのステップ
アンケート調査は、マーケティング活動や商品開発に関連するもの、来場者アンケート、社内アンケートなど様々な用途で実施されます。いずれの場合においても、求めるデータを収集するには調査票の設計が鍵となります。
調査票を作るときの基本的な手順を7つのステップに分けて見ていきましょう。
1.調査目的を明確化
精度の高い調査票を作成するには、まず調査目的を明確にし、そこから質問項目を具体的にしていくという流れが基本です。調査目的の設定では次の点を整理し、関係者間で目線が揃うよう言語化しておきましょう。
- 調査のテーマ(主題)
- 調査を実施する背景(どのような課題があるのか)
- 調査目的(何を明らかにするのか)
- 調査結果の用途(何に活用するのか)
上記を明確にすることで、どのようなデータが必要なのか、データを得るにはどのような質問が必要なのかを整理できます。また、あらかじめ用途を明確にしておくことで「データを集めたものの、次の施策に活かせない」といった失敗を避けることができます。
2.質問項目を決定
質問項目は、属性に関するものと調査テーマに関するものの大きく2つに分かれます。
属性情報の例として、以下のものがあります。分析する際に必要となる項目を検討します。
- 性別・年齢・居住地・家族構成
- 職業・役職・所属部署・勤務地・勤続年数
調査テーマに関する質問項目は、調査の目的・用途に照らし合わせながら検討します。「何について知りたいのか」を大分類・中分類のように構成を細分化しながら考えていくと効率的に進めやすくなります。
例を見てみましょう。
例)
大分類:購買における実態
中分類:
- 購買行動(購入の有無、購入頻度、購入価格など)
- 意思決定プロセス(認知したチャネル、参考にした情報、選択した理由など)
調査項目を決定するときは、その質問項目でどのようなデータを得られるのかを考えた上で、必要な項目を精査していくことがポイントです。
3.回答形式を決定
続いて、質問項目ごとに回答形式を決めていきます。「どのような分析結果を得たいのか」を事前に決めた上で、最適な形式を選ぶことがポイントです。よく使われる回答形式と特徴は以下の通りです。
●単一回答
選択肢の中から1つのみ選んでもらう方法です。YES/NOなど2つから選択するものを二項選択法、3つ以上の選択肢から選んでもらう方法は多項選択法と呼ばれます。
単一回答では1つのみを選択することになるため、もっとも重視する事柄を問いたい場合に有効な回答形式です。集計・分析をしやすいというメリットもあります。
●複数回答
選択肢の中から、該当するものを複数選んでもらう方法です。「3つまで選択」のように数を制限する方法を制限回答法といいます。
複数回答は、回答者が複数の要因や選択肢を持っていると想定される場合に有効な回答形式で、より回答者の実態や状況にあった回答結果を得やすいというメリットがあります。
●自由回答
文章や単語を用いて自由に回答してもらう方法です。長い文章を記述してもらうもの、キーワードとなる単語を記述してもらうものと2パターンあります。選択肢を作りにくいときや、回答者の言葉そのものを重視したい場合などに有効な方法です。想定していなかった情報を得られることがある点もメリットの一つです。
自由回答で得た情報は、テキストマイニングやアフターコーディングの手法を用いて分析することも可能です。
- テキストマイニング:単語や文節を解析して重要キーワードや相関関係などを分析する
- アフターコーディング:類似する回答を分類して選択肢化し、定量的に分析できるようにする
●段階評定法
段階評定法とは、どの程度当てはまるのかを選んでもらう方法のことです。回答者の意見や行動・心理などを「程度」として把握したい場合に用います。
例を見てみましょう。
例)
- とても当てはまる
- やや当てはまる
- どちらともいえない
- あまり当てはまらない
- 全く当てはまらない
例)
- 非常に満足している
- やや満足している
- どちらともいえない
- あまり満足していない
- 全く満足していない
よく使われているのは5段階評価ですが、どの程度細分化したデータが欲しいのかによって、3段階や7段階に分けることもあります。
●順位法
選択肢に順位をつけてもらう回答形式です。選択肢全てに順位をつけてもらう場合と、上位3位までのように制限を付ける場合があります。順位法は、回答者の優先順位を知りたいときに適しています。
以下に例を挙げます。
例)あなたが○○を購入する際に重視する項目に順位をつけてください。
- 知名度
- 機能
- 価格
- アフターサービス
- 耐久性
「重視項目の1位は○○、2位は○○」のように順位が重要となる場合は順位法、全体的な傾向を押さえたい場合は単一回答や複数回答というように、どのような分析結果が必要かを考えた上で選択しましょう。
4.質問項目数の調整
アンケート調査ではできるだけ多くのことを聞きたいと思いがちですが、質問項目数が多すぎると、回答者の負荷が高まり回答率や回答の精度に影響が出てしまうことがあります。一般的には、20問を超えるとストレスを感じるとされています。質問項目が多くなっているときは、重要度を精査して絞り込むようにしましょう。
5.質問する順番を決定
次に、質問する順番を決めます。ポイントは次の3つです。
●時間の流れに沿って質問する
質問は過去→現在→未来、あるいはこの逆というように時間の流れに沿って並べるのが基本です。これは、時間が行ったり来たりすると回答者が答えにくくなってしまうためです。
●関連する項目は続けて質問する
関連する質問項目はできるだけ続けて並べたほうが、回答者がスムーズに答えやすくなります。この場合も、時間の流れを意識することがポイントです。たとえば、意思決定プロセスを問う場合は、認知→情報収集→検討→購入→評価のように時間の流れに沿って順に質問します。
●簡単に回答できるものから質問する
最初に心理的なことや評価、意見など答えにくい質問を持ってくると、回答者が面倒に感じたり不安になったりして回答を止めてしまう原因になります。 YES/NOで答えられる質問や事実を答えてもらう質問など、簡単に回答できるものから始めるように工夫しましょう。
6.質問文の精査
次に、質問文に不備がないかどうかを確認します。作成者本人は問題点に気づきにくいものなので、周囲の人に見てもらうなどして洗い出すとよいでしょう。
以下の観点を参考に精査し、最終的な設問文を決めます。
- 回りくどく、理解しにくい文章となっていないか
- 何を回答すればよいのか迷うような表現となっていないか
- 人によって解釈が変わる表現をしていないか
7.テスト・本調査
質問文まで確定したら、テストを実施して本調査に進みます。テストでは社内の人に協力してもらうなどして、回答者の立場から見て質問文や回答方法に問題点がないかを確認していきます。ある回答をした人のみに回答してもらう分岐質問がある場合は、正しく分岐されているか、矛盾点がないかどうかも確認しておきましょう。
事前テストをすることで、アンケートを一斉配信した後に問題点に気づくという失敗を防ぐことができます。
調査票を作成するときの注意点
調査票を作成するときに注意しておきたいことを以下に整理しました。
質問文を作成するときの注意点
質問文を作成するときの重要なポイントは、誰が読んでも理解しやすいこと、回答を誘導するような表現をしないことです。次の点に注意して作成しましょう。
- 平易な言葉を用い、できるだけ短く簡潔にまとめる
- 専門用語や略語を使わない
- 主語(あなたは~、あなたの家族は~など)を省略しない
- 1つの質問で2つ以上のことを聞かない
- 表記や結びは統一する
例:子供、お子さんが混在→お子様で統一
例:「~回答してください。」「~教えてください。」が混在→「~お答えください。」に統一 - 回答者の意識に影響する聞き方をしない
例:「○○が流行していますが、あなたはどの程度興味を持っていますか。」
→「○○について、あなたはどの程度興味を持っていますか。」
選択肢を決めるときの注意点
選択肢を決めるときは、以下の点に注意します。
- 選択肢に矛盾や重複がないかどうかを確認
例:1~2回、2回以上→1~2回、3回以上
- いつ・頻度・量は具体的に表現する
例:最近→直近1ヶ月、時々→週に1回、少し→1~2回
- 数字や金額は小さいもの→大きいものへと順に並べる
- 対象者に該当するであろう選択肢を検討し、「その他」の回答数をできる限り少なくする
回答率を高めるための注意点
回答率を高めるには、回答者の負担や不安をできるだけ軽減するよう考慮することがポイントです。以下の例を参考にしてください。
- 冒頭でアンケートの設問数や目安となる所要時間を明示し、取り組みやすい状態を作る
- 冒頭でアンケートの目的や個人情報の取り扱いについて明記し、安心感を醸成する
- 対象者が回答しやすいタイミングを見計らって配信・送付する
調査票の基本を押さえていれば様々なアンケート調査に活かせる
調査票の作り方によって回答結果に大きな影響が出るため、「調査票作成は難しい」と思われがちですが、基本を押さえていれば様々なアンケート調査に活かすことができます。ぜひ本記事を参考に、有用なアンケート調査を実施してください。