インターネット調査とは|
メリット・デメリットと実施の流れ

30 August.2022 / スクリーニング調査

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マーケティングリサーチの手法として欠かせないものの一つがインターネット調査です。スマートフォンやタブレットが普及している現在は、より幅広い属性への調査が可能になっており、様々な用途で活用されています。

ここではインターネット調査の特徴やメリット・デメリット、実施の流れを解説します。

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これからマーケティングリサーチをはじめられる方向けに、その手法や各種のメリット・デメリット、特長などをわかりやすく資料にまとめました。

インターネット調査(Webアンケート調査)とは

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インターネット調査(Webアンケート調査)とは、インターネットを通じて調査票を配信し、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末から回答してもらう調査手法のことです。まずはインターネット調査の特徴と種類について見ていきます。

インターネット調査の特徴

インターネット調査は、インターネットが普及した1990年代から広がり始めました。普段からパソコン・スマートフォン・タブレットを利用する人が多くなっている現在では、幅広い層からの情報収集が可能となっており、マーケティングリサーチの主要な調査手法として定着しつつあります。

従来の紙を使ったアンケート調査に比べ、インターネット調査は短期間に大量のデータを集めやすい点が大きな特徴です。そのため、主に定量データ(数値で表せるデータ)を効率的に収集したい場合に多く用いられています。

クローズ型・オープン型

インターネット調査は、クローズ型・オープン型の2つに大別されます。

●クローズ型

クローズ型の調査とは、調査会社に登録している調査モニターや自社保有の顧客リストを使って実施する調査のことです。調査テーマに応じて、条件に合致する調査対象者をスクリーニング(絞り込み)して回答を集めます。

調査会社によって保有しているモニターの属性や人数に幅はありますが、数百万人規模のモニターが登録しているため、ほとんどの調査テーマに対応できます。代表的な活用例として市場調査やブランド調査、コンセプト調査、価格受容性調査などがあり、市場動向やニーズ、トレンドなどを把握したい場合に役立ちます。

顧客リストを用いた調査では、顧客満足度調査(CS調査)や自社の課題抽出のための調査が多く実施されています。

●オープン型

オープン型の調査は誰でも回答できる公開型の調査で、Web広告や自社サイトなどを用いて調査対象者を集める方法のことをいいます。主な活用例として、意識調査やランキング調査などがあります。オープン型はどれくらいの期間でどの程度の回答数を集められるのか見込みが立ちにくいため、実施する際は回答期間を長めにするなどの工夫が必要です。

インターネット調査のメリット・デメリット

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インターネット調査のメリット・デメリットを以下に整理しました。

インターネット調査のメリット

従来の紙を使ったアンケート調査に比べ、インターネット調査はオンラインならではのメリットを享受できます。また、昨今は多様な機能を備えたアンケートシステムが提供されているため、リサーチする側・回答する側の双方にとって利便性が高くなっています。

  • 広範囲の対象者に一斉に調査票を配信できるため、短期間で大量のサンプルを集めやすい
  • 他の調査手法と比べ、低コストで実施することが可能
  • スクリーニング調査(条件に合致する対象者を絞り込むための事前調査)を容易に実施できるため、本調査で無駄なく的確なデータを集めることができる
  • アンケートシステムによっては分岐質問(回答内容によって次の質問を変える)の機能や多様な回答形式を備えており、回答者の負荷を下げつつ詳細な情報を得ることができる
  • 多くのアンケートシステムは自動集計機能を備えているため、紙で回収した情報を転記するといった手間がない
  • 調査票に画像や動画、音声、Webサイトを入れ込んだり、回答者が撮影した画像を集めたりすることができる
  • ほとんどのアンケートシステムはSSL(暗号化)などセキュリティ対策がとられている。また、紙のように紛失するといったことがないため、セキュリティ面の強化に役立つ

インターネット調査のデメリット

インターネット調査は多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。

●インターネットを利用していない層の情報は集められない

インターネット調査の回答者は基本的にインターネットを利用している人になるため、利用していない層の情報は含んでいないという点に留意しながら分析する必要があります。あまねく情報を集めたい場合は、郵送調査や電話調査など他の手法と組み合わせるなどの調査設計が必要です。

インターネット調査~実施の流れと注意点

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インターネット調査の実施の流れと注意点を見ていきましょう。

インターネット調査の実施の流れ

インターネット調査は、大きく次の4ステップで進めていきます。

ステップ1:調査企画

調査の背景・目的・ゴールを明確にした上で、調査内容を具体的にします。調査企画で決めるべき事項は以下の通りです。

<調査の背景・目的・ゴール>

  • 自社が抱えている課題・解決したい課題
  • 調査の目的(何を明らかにするための調査か)
  • 調査結果の用途(結果を何に活用するのか)

<調査内容>

  • 調査対象者(性別・年齢・居住地・職業などの属性や行動特性などの条件)
  • 目標サンプルサイズ
  • 設問内容
  • 調査スケジュール

ステップ2:調査票を作成

続いて、調査企画に沿って調査票を作成します。調査票の精度によって回答結果に少なくない影響が出てしまうため、入念に作る必要があります。以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 回答者が理解しやすいように平易で簡潔な文を意識する
  • 回答者によって解釈が異ならないような言葉を使う
    NG例:最近
    改善例:直近1カ月
  • 回答を誘導するような聞き方をしない
    NG例:あなたはAだと思いますか。
    改善例:あなたはどのように思いますか。
  • 1つの設問で2つ以上のことを聞かない
    NG例:あなたは使いやすさや持ち運びやすさに満足していますか。
    改善例:
    ┗Q1.あなたは使いやすさに満足していますか。 
    ┗Q2.あなたは持ち運びやすさに満足していますか。
  • 主語(あなたは~、ご家族は~)を入れる

ステップ3:テスト~実査~回収

質問票を作成したら、実査(実際の調査)の前にテストを行いましょう。テストでは周囲の人に回答者になってもらい、設問文にわかりにくい点はないか、回答形式に矛盾点はないかなどをチェックしてもらいます。この工程を入れることで、調査票を配信した後に不備が見つかり、適切な調査を行えなかったというような失敗を回避することができます。

ステップ4:集計・分析

回答を回収したら、集計・分析のステップに進みます。集計方法の基本は単純集計とクロス集計の2つです。

●単純集計

単純集計とは、回答結果を人数や割合で集計する方法です。たとえば「Aに満足している人」の割合は30%というように、全体の傾向を押さえることができます。

●クロス集計

クロス集計とは、2つ以上の設問や属性を掛け合わせて集計する方法です。たとえば「Aに満足している人×性別」でクロス集計すると、女性40%・男性20%というように単純集計よりも詳細な結果をつかむことができます。さらに年代や居住地、利用経験など複数の項目を組み合わせることを多重クロス集計といい、より細かな分析ができます。

インターネット調査の注意点

インターネット調査で、とくに注意しておきたいのは以下の2点です。

マルチデバイスへの対応

現在は幅広い世代にスマートフォンが普及しているため、インターネット調査においてもスマートフォンから回答する人が増えています。回答できるデバイスがパソコンのみだと、回答率が下がったり、属性に偏りが出てしまったりするなどの可能性が出てくるため注意が必要です。アンケートシステムがマルチデバイスに対応しているかどうかを確認しておきましょう。

回答者の負荷を極力下げる

紙のアンケート調査では設問数がある程度制限されますが、インターネット調査では設問数の制限なく作成することができるため、設問項目が多くなりがちです。しかし、設問数が多すぎると回答者の負荷が高くなり途中離脱が起きるほか、面倒になって適当に回答してしまうケースが起こり得るため注意しなければなりません。

一般に、20問を超えると回答者のストレスが増大するとされています。設問数が多すぎるときは、調査目的に照らし合わせながら本当に必要な質問に絞り込むようにしましょう。

データの収集・活用がより手軽に

短期間かつ低コストでの調査が可能なインターネット調査が普及したことで、マーケティングや商品開発などに必要なデータを手軽に収集できるようになりました。現在は調査会社に委託する方法のほか、調査票の作成から集計まで自社で行うセルフ型のサービスも提供されており、より低コストで手軽に実施することも可能です。意思決定や施策の精度を高める手段として、ぜひ有効活用してください。

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